親として

セラピストになったのは、他の誰よりも絶望的に不幸な人生を背負ってきたからだった。

誰のどんな深く苦しい闇の話を聞いても、自分が体験してきたそれはすべてを包括していた。

それでも自分は幸せな人間だと思いながらも、誰かに生まれてからの一部始終を話すと、口をあんぐりあけて、「こんなに不幸な人初めてみ見ました」と言われた。

普通の人の経験してる人生の、何回分やってるのと何度も言われた。

よく今まで生きてきたよと何人もの人に言われた。

マイさんの苦しさを思うとと、何人にも目の前で泣かれた。

 

えっと、不幸自慢をしたかったわけではなく、だからわたしはセラピストなんだってことが言いたかった。

誰にもこんな、辛く苦しい思いを誰一人とて、絶対にさせまいと何重にも誓いを立てるような

そのくらいに苦しい思いをずっとしてきたから、

だから、それを絶対に乗り越えるための、抜け道や多種多様なものの見方、窮地を生き抜くための知恵を身につけざるを得なかった。

スタンダードなセラピーだけじゃない切り口で

全てのひとの悩みや問題を、絶対に解決すると決めてセラピストをやる。

 

もちろんうまくいかないこともある。時間がかかることもある。新しく捻ったタイプのこじれもいっぱいある。

わたしがやってきた同じ類の根深いものもある。

集合的で、高い目的に基づいており、個人レベルじゃない課題とともに生きてる人もいる。

 

それを解決する。

 

カウンセラーのひととかセラピストといった類の仕事をしてる人は、いろいろだけどきっかけとしては、自分がとても辛い体験をして乗り越えたから、同じような苦しみを感じているひとを助けたい、というシンプルなものが多い。

 

わたしも同じで、だから子育てにも同じことが言えるんだ。

 

わたしの親は優しかった。

普通に見えた。

とても愛情深く、すべてが揃っているように見えた。

 

でもだから、わたしは苦しんだ。

 

発達障害がわかったあとの、今まで隠れていた人の本当の姿が

そのひととなりや、どう生きているかが、すべて露わになるのは

いつ誰を見ていても見ていられぬほど辛かった。

でも、誰よりも、何よりもいまだに一番苦しく辛いのは、それが、まぎれもない自分の両親にあてはまるということだ。

分かち合い、理解しあい、手を差し伸べ、そして家族として絆を強くしていくための時間とは
反対に進む家族

離れ、関係が絶たれて、見限らなくてはいけない時間

ひとが成長し、次第に新しい家族を作り自立していく健康的な巣立ちとは違い

生きるために助けが必要だということがわかったタイミングで、【自分たちは助けられない】と見放される、そこをくぐり抜けないといけない。

 

その中で、

そして自分の子供に、絶対に、そんな思いをさせたくないという真摯な気持ちが、わたしの親としてのたったひとつのモチベーションになっている。

物心つくまえから孤独だった自分が、この年になるまで【子供】と同じ支援を必要としており、それはこの先もずっと続く。

でも、だから、子供たちの気持ちがわかる。言葉の足りない子供たちの気持ちや苦しみがわかる。

できない理由や、転ぶ理由がわかる。

 

大人の都合で、すべてを奪われようとする、平気で踏みにじられ続けるこの世界で

壊れ続けていくこどもたちの純粋なきもちや愛

 

だから、彼らに自分と同じような気持ちを絶対にさせたくない。

 

愛があり、本当に諦めたくないと頑張ろうとしているママたちやパパたちに、コミュニケーションや、こどもたちの気持ちや、忘れてしまった全てを思い出してもらうためならなんでもやる気持ちになる。

 

 

わたしは、

他のママが普通にできることの山ほどができない。

タオさんは、みんなに凄いと言われ続け、わたしは母親としてダメの烙印を押され続ける。

 

それは、いまだにすごく辛いけど、

でも、わたしがタオくんに対して忠誠を誓い守りたい部分は、その愛は、

 

他のどの大人が

「たおくんのためにxxしなさい」

と押し付けてくるそれよりも、本物だと思う。

 

彼らがたとえ親としてあるべき愛を高らかに謳ったとしても、逆立ちしても敵わない。

なぜならわたしは、タオくんのサイドにいるから。子供たちと同じ目線だから。

 

自分が長い間、「誰かの子供として」苦しんだ底なしの闇を

この先ただのひとりのこどもたちに味あわせたくないと思う。

 

彼らを守りたいと思う。

 

だから、こどもたちを幸せにしたい、子供たちを守りたいママたちやパパたちには

厳しくなるし、子供に負けないくらいに、嘘偽りない人生を歩んでほしい。

 

誰もが、いつか誰かのこどもであったはずで、たとえいま人の親ではなくても、その系譜やすべては

世界中に繋がっていて、その愛はすべての中核にある。

 

 

 

 

 

 

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