Category一覧まい・進化のきろく

その良さのこと

むかしから、よく知ってる

あの頃の、震えるような、身体に刻まれる感覚

懐かしくて、すべてを覆い隠すような愛

胸が苦しくて、365日が恋だと錯覚するような痛み

 

いいことも

わるいことも

 

苦しみも

輝きも

あったかく

ぼんやりと

 

無かったことにする、愛のこと

 

混じり合って

愚鈍で

優しい音色

 

繊細で

混沌とした

くるくると、踊りたくなるリズム

 

好きだった

 

いろいろなもので、誤魔化されて消えてゆく痛み

どこにも行かない、無くならない傷を

どこかに上手になすりつけて、そして愛してゆく場所

 

なお美しく、ひとはそれでいいと思う

それを愛して、変わらないことを望む

 

いつまでも、目が覚めませんようにと祈る

いつまでも、幸せに暮らしましたとさと唱えてく

 

その愚かな世界のことを、多分

ひたすらに、ひとは、愛してる

 

 

その美しさを

守りながら、きっと世界は

目を覚ましてく

 

まるで

 

夢の中を、体現するように

おとぎばなしを現実とおもうように

 

眠りながら

生きるように

 

そのことを

大切に

 

世界には

いろいろな場所があってそして

眠りながら夢の国を生きる場所もあってよいのだと

 

それで救われぬいのちや苦しみが

決して消えずに続こうとも

 

その悪夢さえもきっと

この場所は

飲み込んでく

 

それは、誰にも止められない

 

この国が朽ちぬ限り